家族の方がお亡くなりになられて、葬儀が終わった後に行う手続きが、相続手続きです。
葬儀が終わったら一区切りがつきますが、その後に「相続」が待っています。相続手続は、円満に手続きが終わる場合もありますが、争族に発展することもあります。
相続を円満に終わらせるための流れと要点をお伝えいたします。
(1)死亡届の提出と個人の死亡記載の戸籍の取得
まず、「死亡届」を役所に提出します。(葬儀業者がやってくれます。)
これにより、死亡記載の戸籍が出来上がります。(概ね1週間程度でできますので、
役所に行って、死亡記載の戸籍を取得します。
これにより、死亡記載の戸籍が出来上がります。(概ね1週間程度でできますので、
役所に行って、死亡記載の戸籍を取得します。
(2)役所への各種届出
死亡記載の戸籍を取得したら、それを持参して、介護保険、健康保険、年金などの手続を行います。(戸籍を取得した窓口で、必要な手続きを記載した案内を配布している窓口もありますので、窓口で問い合わせてください。その際、亡くなられた方の健康保険証や介護保険証、年金番号やマイナンバー及びご自分の免許証や認印を持参すると良いでしょう。)⇒ 一般的には、相続人でできる手続なので、戸籍を取りに行った日に、そのまま手続きが済むと思います。)
(3)電気水道ガスなどの公共料金や携帯電話などの口座振替の停止手続
亡くなられた方が、お一人で住まわれていた場合には、その住居に関係する公共料金などの停止手続が必要です。(住居に届きている請求書や領収書などを見つけて、又は、銀行通帳などから業者を割り出して、電話連絡して手続を行ってください。
(4)相続人調査
亡くなられた方の死亡記載の戸籍を頼りに、その父、母、妻、子等の戸籍を順次取得します。(住所地以外に戸籍がある場合は、郵送で取得することもできます。詳しくは、当該市町村のホームページに記載してあります。また、電話で問い合わせも可能です。
相続人の範囲は、亡くなられた方の配偶者及び子供(第一順位)ですが、配偶者も子供もいない場合は、その両親(第二順位)。両親も亡くなられている場合は、その兄弟(兄弟が亡くなられている場合には、その子(甥や姪)が相続人になりますので、それら全ての戸籍を収集する必要があります。
⇒家族関係が複雑な場合は、とても面倒で時間も掛かりますので、行政書士などの専門家にご依頼ください。
相続人の範囲は、亡くなられた方の配偶者及び子供(第一順位)ですが、配偶者も子供もいない場合は、その両親(第二順位)。両親も亡くなられている場合は、その兄弟(兄弟が亡くなられている場合には、その子(甥や姪)が相続人になりますので、それら全ての戸籍を収集する必要があります。
⇒家族関係が複雑な場合は、とても面倒で時間も掛かりますので、行政書士などの専門家にご依頼ください。
(5)法定相続情報証明の取得
遺産の中に不動産以外に、銀行の預貯金や生命保険などがある場合には、亡くなられた方住所地を管轄する法務局で「法定相続情報証明」を取得してください。相続に関する手続には、関係を証明するために戸籍や附票の束を提出しなければならない場面が多いのですが、この「法定相続情報証明」があれば、1枚の証明で住みますし、窓口での手続の時間を短縮することができます。(法務局のホームページに記載要領や手続きの方法が載っています。)⇒初めての方だと、何度も書き直しや戸籍の追加取得などの追加指示を受けることが多いので、行政書士などの専門家に依頼するとスムーズです。
(6)遺産の調査
不動産の調査は、先ず、市役所等で亡くなられた方の名寄帳兼課税台帳を取得します。その際、単有分だけでなく共有分も必ず取得してください。5月頃に郵送される固定資産税の納税通知書だけでは不十分です。納税通知書には、課税されていない不動産は記載されていません。また、共有名義の不動産については、記載されていないこともありますので、調査結果に抜けが生じることがあります。
預貯金の調査は、通常、相続手続きは相続人を証明する戸籍又は「法定相続情報証明書」及び亡くなられた方の通帳等を持参して、相続人が窓口で行います。その際、委任状による手続きができる場合は、窓口で委任状を提出します。
窓口では、口座の凍結手続や口座の確認、残高の確認や残高証明の発行手続、過去の取引履歴の申請手続きを行ないます。相続手続を申し込めば、その時から口座は凍結されます。⇒手数料の支払が必要ですので、数千円持参しましょう。
窓口で通帳の記帳を行い、死亡日までの入出金の確認のため、通帳の記帳を行います。
取引履歴は、生前贈与等の確認の為に取得します。公共料金、電話料金や生命保険料は銀行口座での振替払が多いので、保険契約の発見や確認のためにも重要です。取引履歴は、各口座につき最低3年分は必要です。最長で10年分の履歴を取ることが出来ますが、1週間程度の日数がかかります。
生命保険の返戻金は、亡くなられた方の生命保険の契約書や銀行通帳などから生命保険会社や取次店を探して、担当者に解約手続きを依頼します。
留意点は、保険金の受取人や手続の代理人が指定されているかどうかです。
勿論、指定されている場合は、指定されている方しか手続きは出来ません。
受取人が指定されいる場合は、その方が直接受け取り、その保険金は相続財産とはなりません。
受取人が指定されていない返戻金(通院や入院の返戻金の場合が多い)は、本来亡くなられた方が受け取ることとなっていますので、相続財産として取り扱います。
車がある場合は、インターネットなどで、販売価格を評価額としたり、車販売業者に査定して貰ったり、或いは原価償却分を差し引いた簿価等で評価額を決めます。
家財道具の、評価は、リサイクルショップでの同程度の商品の価格を参考にできると思いますが、相続人の皆様で価値を決めていただくことが良いでしょう。
不動産の評価額は、市町村町で決める課税評価額、国税庁の評価方式で決める相続税評価額、不動産業者による査定価格、不動産鑑定士による評価額など、いろいろな方法があります。どのような評価方法を用いるかによって、不動産の評価額が異なりますので、不動産の評価方式をどのようにするかは、遺産分割協議の1つのポイントになります。
宝石や美術品の評価額は、購入した時の価格を用いることが多いのですが、何十年も前の価格などわからない場合が多いので、これも相続人の方で決めていただくのが良いでしょう。
所謂「お宝」と言われるような高価な美術品や宝石などは、きちんと鑑定して貰うことが良いと思います。
預貯金の調査は、通常、相続手続きは相続人を証明する戸籍又は「法定相続情報証明書」及び亡くなられた方の通帳等を持参して、相続人が窓口で行います。その際、委任状による手続きができる場合は、窓口で委任状を提出します。
窓口では、口座の凍結手続や口座の確認、残高の確認や残高証明の発行手続、過去の取引履歴の申請手続きを行ないます。相続手続を申し込めば、その時から口座は凍結されます。⇒手数料の支払が必要ですので、数千円持参しましょう。
窓口で通帳の記帳を行い、死亡日までの入出金の確認のため、通帳の記帳を行います。
取引履歴は、生前贈与等の確認の為に取得します。公共料金、電話料金や生命保険料は銀行口座での振替払が多いので、保険契約の発見や確認のためにも重要です。取引履歴は、各口座につき最低3年分は必要です。最長で10年分の履歴を取ることが出来ますが、1週間程度の日数がかかります。
生命保険の返戻金は、亡くなられた方の生命保険の契約書や銀行通帳などから生命保険会社や取次店を探して、担当者に解約手続きを依頼します。
留意点は、保険金の受取人や手続の代理人が指定されているかどうかです。
勿論、指定されている場合は、指定されている方しか手続きは出来ません。
受取人が指定されいる場合は、その方が直接受け取り、その保険金は相続財産とはなりません。
受取人が指定されていない返戻金(通院や入院の返戻金の場合が多い)は、本来亡くなられた方が受け取ることとなっていますので、相続財産として取り扱います。
車がある場合は、インターネットなどで、販売価格を評価額としたり、車販売業者に査定して貰ったり、或いは原価償却分を差し引いた簿価等で評価額を決めます。
家財道具の、評価は、リサイクルショップでの同程度の商品の価格を参考にできると思いますが、相続人の皆様で価値を決めていただくことが良いでしょう。
不動産の評価額は、市町村町で決める課税評価額、国税庁の評価方式で決める相続税評価額、不動産業者による査定価格、不動産鑑定士による評価額など、いろいろな方法があります。どのような評価方法を用いるかによって、不動産の評価額が異なりますので、不動産の評価方式をどのようにするかは、遺産分割協議の1つのポイントになります。
宝石や美術品の評価額は、購入した時の価格を用いることが多いのですが、何十年も前の価格などわからない場合が多いので、これも相続人の方で決めていただくのが良いでしょう。
所謂「お宝」と言われるような高価な美術品や宝石などは、きちんと鑑定して貰うことが良いと思います。
(7)入院・介護・施設利用料、葬儀費用等に関する支出の調査
亡くなられた後は、金融機関口座からのお金の引き下ろしは出来ません。最近は、葬儀代などについては引出し出来るようになりましたが、しないほうが良いです。
故人様が支払うべき費用としては、各種税金、入院費用、介護費用。施設利用料がありますが、もし立替えて支払われた場合は、その領収書に誰が(誰のお金で)支払ったか名前を記入することをお勧めします。理由は、立替払いをした方に対して、その費用をお返しするためです。領収書が無い場合は、メモ紙でも結構です。必ず、記録してくことをお勧めします。
葬儀関連費用は、遺産から出してもらうことが出来ますので、勿論領収書が必要です。一般的な内容はインターネット等で検索すれば基本的な情報を得ることができますが、遺産分割協議において合意されれば、それは相続人間での合意になりますから、遺産からそれらの費用を出すことは可能です。ただし、相続税の計算においては、法令通りの計算方法に従わなければなりません。
故人様が支払うべき費用としては、各種税金、入院費用、介護費用。施設利用料がありますが、もし立替えて支払われた場合は、その領収書に誰が(誰のお金で)支払ったか名前を記入することをお勧めします。理由は、立替払いをした方に対して、その費用をお返しするためです。領収書が無い場合は、メモ紙でも結構です。必ず、記録してくことをお勧めします。
葬儀関連費用は、遺産から出してもらうことが出来ますので、勿論領収書が必要です。一般的な内容はインターネット等で検索すれば基本的な情報を得ることができますが、遺産分割協議において合意されれば、それは相続人間での合意になりますから、遺産からそれらの費用を出すことは可能です。ただし、相続税の計算においては、法令通りの計算方法に従わなければなりません。
(8)特別寄与料
相続人への「寄与分」や相続人以外の親族への介護のような労務の提供に対する「特別寄与料
これらの金額を決定するには、相続人の間での合意が必要です。特別寄与料は、法律が2018年の法改正により、2019年7月1日から施行され、受け取ることが可能になりましたが、その金額については相続人間の合意が必要で、もめた場合は、家庭裁判所への申立てが必要です。特別寄与料には請求の期限があり、相続の開始及び相続人を知った日から6か月以内、かつ、相続開始時から1年以内となっています。
これらの金額を決定するには、相続人の間での合意が必要です。特別寄与料は、法律が2018年の法改正により、2019年7月1日から施行され、受け取ることが可能になりましたが、その金額については相続人間の合意が必要で、もめた場合は、家庭裁判所への申立てが必要です。特別寄与料には請求の期限があり、相続の開始及び相続人を知った日から6か月以内、かつ、相続開始時から1年以内となっています。
(9)遺産分割協議
相続人が確定し、遺産が確定したら次はいよいよ遺産分割協議です。
不動産は円単位で分割できませんので、換価分割や代償分割の方法を取ります。
換価分割とは、
代償分割とは、
本来、遺産分割協議は、全ての相続人が一堂に会して、協議を進めることがベストですが、全ての相続人といっても老若男女が入り乱れていますので、実際問題としてそのような場を設定することは難しいです。
遺産の中身は現金・預貯金だけでなく、不動も含まれていますので、相続人の皆様の意向を踏まえ、公平性を担保しつつ、分割案を作成し、定時たします。
当事務所では、遺産分割に関する意向調査という形で、相続人の皆さまからこのようにしたいというご要望をお聞きし、ご要望に沿った形で遺産分割協議書案をご提示します。意向調査において意見が格好から対立するようなな合には、相続人の間でお話をしていただき、合意した内容を協議書に反映させます。もし、その話合いがまとまらず、対立が激化するような場合の仲裁などは弁護士法に違反するため、意見対立時における仲裁などはお引き受けできません。そのような場合には、家庭裁判所での調停などの申立てをご自分で選択して頂きます。
遺産分割協議の結論に基づき、遺産分割協議書を相続人数分作成します。
なお、相続人様の居住地の状況などを考慮して、遺産分割協議証明書を作成する場合もあります。この証明書は、協議書の内容とほぼ同じ書面を相続人を一人一人が
署名捺印し、相続人の数だけ揃えて手続きをするためのものです。
不動産は円単位で分割できませんので、換価分割や代償分割の方法を取ります。
換価分割とは、
代償分割とは、
本来、遺産分割協議は、全ての相続人が一堂に会して、協議を進めることがベストですが、全ての相続人といっても老若男女が入り乱れていますので、実際問題としてそのような場を設定することは難しいです。
遺産の中身は現金・預貯金だけでなく、不動も含まれていますので、相続人の皆様の意向を踏まえ、公平性を担保しつつ、分割案を作成し、定時たします。
当事務所では、遺産分割に関する意向調査という形で、相続人の皆さまからこのようにしたいというご要望をお聞きし、ご要望に沿った形で遺産分割協議書案をご提示します。意向調査において意見が格好から対立するようなな合には、相続人の間でお話をしていただき、合意した内容を協議書に反映させます。もし、その話合いがまとまらず、対立が激化するような場合の仲裁などは弁護士法に違反するため、意見対立時における仲裁などはお引き受けできません。そのような場合には、家庭裁判所での調停などの申立てをご自分で選択して頂きます。
遺産分割協議の結論に基づき、遺産分割協議書を相続人数分作成します。
なお、相続人様の居住地の状況などを考慮して、遺産分割協議証明書を作成する場合もあります。この証明書は、協議書の内容とほぼ同じ書面を相続人を一人一人が
署名捺印し、相続人の数だけ揃えて手続きをするためのものです。
(10)不動産登記
完成した遺産分割協議書を添えて、不動産登記の専門家である司法書士に登記を依頼します。
(11)附属手続き
相続手続きは、不動産登記、口座解約などだけではありません。
例えば、農地を相続すれば、農地を相続したことを役所に届け出る必要がります。また、未登記家屋を相続した場合は、納税義務者の変更届が必要になりますし、森林(山林)を相続した場合には、山林の相続に関する届出も必要です。
不動産登記後は、これら、役所への届出も併せて行います。
例えば、農地を相続すれば、農地を相続したことを役所に届け出る必要がります。また、未登記家屋を相続した場合は、納税義務者の変更届が必要になりますし、森林(山林)を相続した場合には、山林の相続に関する届出も必要です。
不動産登記後は、これら、役所への届出も併せて行います。
(12)金融機関の解約手続とお金の振込
また、完成した遺産分割協議書を添えて、金融機関の窓口での解約手続に同行し、支援を行います。
特に、銀行の口座を解約後の解約金額は、消費税や利息などの加減により、遺産分割協議書記載の金額と若干の誤差が出ることがありますので、各相続人様にいくら振り込めばよいかについても、実解約金額を基に算出しご提示いたします。この計算の基本は、足し算と引き算なのですが、預貯金、生命保険代、立替金、不動産等いろんな要素が詰まっていますので、なかなか骨の折れる計算です。相続人の方が行うには結構難しいのではないかと思います。
特に、銀行の口座を解約後の解約金額は、消費税や利息などの加減により、遺産分割協議書記載の金額と若干の誤差が出ることがありますので、各相続人様にいくら振り込めばよいかについても、実解約金額を基に算出しご提示いたします。この計算の基本は、足し算と引き算なのですが、預貯金、生命保険代、立替金、不動産等いろんな要素が詰まっていますので、なかなか骨の折れる計算です。相続人の方が行うには結構難しいのではないかと思います。
(13)完了報告書の引渡し
登記・口座解約・振込完了後、相続手続に関連する戸籍・附票等、相続財産に関する資料、遺産分割の計算に関する資料、その他附属手続きに関する資料などを1冊にまとめた完了報告書を送付いたします。この資料は、次の相続手続等にとても役に立ちます。
(14)その他(遺産を相続したくない場合の方策)
相続分譲渡証明:遺産分割協議の前に、自分の相続分を他の相続人に譲渡するという「相続分譲渡証明書」を提出することにより、以後遺産分割協議に参加する必要はなくなります。
相続放棄:家庭裁判所に相続放棄の申立てを行なえば、最初から相続人ではなかったことになりますので、亡くなった方の負債を背負う必要が無くなります。負債が超過しているばあいに用いられることが多いです。
また、突然、固定資産税の支払を求められたような場合、相続放棄を家庭裁判所に受理してもらえれば、固定資産税の納税義務から解放されることもあります。
相続放棄:家庭裁判所に相続放棄の申立てを行なえば、最初から相続人ではなかったことになりますので、亡くなった方の負債を背負う必要が無くなります。負債が超過しているばあいに用いられることが多いです。
また、突然、固定資産税の支払を求められたような場合、相続放棄を家庭裁判所に受理してもらえれば、固定資産税の納税義務から解放されることもあります。